zton2021の曖昧日記

日々思うことを書きます。数学は学習メモとして、勉強したこと、思うことを一生懸命書いていますが間違い勘違いも含むかもしれません。間違いに気がついた時点で、加筆修正するつもりです。(注)数式はMathMLで表記し、Safariで表示を確認しています。Safari以外のブラウザでは表示がおかしいことがあるようです。

ガロア理論曖昧メモ9([補題1]再考)

[補題3]に行く前に、以下の[補題 1]を再考する。

「...だろう」という記述ばかりで、再考というより、妄想かもしれないが、、、[補題3]に関連してあれこれ思いを巡らす。

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[補題1]

体K1と体K2が同型であり、その同型写像をπとする。

K1上の既約多項式 f1(X) とK2上の既約多項式 f2(X)がπ(f1)=f2 を満たすとする。(f1のK1係数をπでK2係数に写し変えたものがf2に等しいとする) 

f1(X)とf2(X)の根 θ1とθ2について、それぞれを体K1とK2に追加した拡大体K1(θ1)と K2(θ2)をつくると、これらは同型であり、その同型写像σとして、σ|K1=π、σ(θ1)=θ2  なるものが存在する。

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K=K1=K2、πを恒等写像、f=f1=f2(既約) とすると、f(X)の2根θ1、θ2(共役元)について、K(θ1)とK(θ2)は同型どころか、集合として等しいのではないか、Q( 2 )=Q( - 2 ) のように、と、一瞬思ったが(そう思うところが理解が不十分な証拠かもしれない)

しかし、考えると色々曖昧である。

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KとK係数既約多項式f(X)以外何もないところから始める。

K[X]を極大イデアル(f(X))で割って、f(X)の根θ1を作リ、それをKに追加してK(θ1)を作ったとする。

この時、K(θ1)のKはもはや以前のKではない。名前を変えてK1と書くことにすると、K1(θ1)はK[X]/(f(X))のことであり、θ1=X+(f(X)) 。

そして、 K1={a+(f(X)) | a∈K} であり、体としてはKと同型である。それと独立して、何らかの方法でKと同型なK2と、f(X)の他の根θ2を求めて、K2(θ2)を作るとすると、このK2はK1とは同型ではあるかもしれないが、集合としては別物である。

そもそも、多項式f(X)自体も、その根を考える時には、係数体KがK1やK2に変わっているのだから、f1(X)やf2(X)のように分けて書くべきである。

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一方で、もしK1(θ1)の中にf1(X)の他の根θ2が含まれているので有れば、K1(θ1)=K1(θ2)  ( 完全一致)となるだろう。(注)

 

例えば、f(X)がK係数2次既約多項式の場合は対応するf1(X)はK1(θ1)係数多項式として、X-θ1 ともう一つの1次の式で因数分解できるから、他の根θ2もK1(θ1)に属する。したがってK1(θ1)=K1(θ2) となる。

しかし、f(X)がK係数3次以上の既約多項式の場合には、K1(θ1)の中にf1(X)の他の根θ2が含まれているなどということは、

一般的には望むべくもないだろう。

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もし、f1(X)をX - θ1で割った商f11(X)が2次式以上で、K1[X]で既約(つまリK1で根を持たない)ならば、(f11(X))がK1[X]の極大イデアルとなるから、再びこれでK1[X]を割って、体K2 と根θ2を新たに定め、K2(θ1,θ2)を考えることができる。もちろん、この中でもK2(θ1)とK2(θ2)は一致しない。足りないから、θ2を追加したのだから、K2(θ1,θ2)=K2(θ1)=K2(θ2) とはならないわけである。

同様に、必要に応じ、次々と新しい体に新しい根を追加して、KN(θ1,θ2, ..., θN)を作ると、このなかで、KN係数多項式としての元のf(X)は全ての根を持つようにできる。

足りないから、追加していったのだから、KN(θ1,θ2, ..., θN)においてθ1,θ2, ..., θNのそのどれをも減らすことはできないだろう。

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もし、あらかじめ十分大きな体Fを考え、Kをその部分体とし、f(X)はKの中では根を持たないが、Fの中ではその全ての根を持つとする。

根を、θ1,θ2, ..., θN として、Fの部分体としてK(θ1,θ2, ..., θN)を考える場合は、f(X)によっては、θ1,θ2, ..., θNのいくつか余分なものを減らすことはできる場合はあるだろう。

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体Kの多項式f(X)の全ての根を追加して、Kを拡大した体Lを作ったとき、

[補題3]は、L=K(β)なるLの元βが存在することを主張している。

βを根とするK係数既約多項式g(X)について、その根 γ,δ,...は、βの共役元だから、ガロア拡大であるL=K(β)の元になる。

この時、(注)と同様にK(β)=K(β,γ,δ,...)=K(γ)=K(δ)=...  となるだろう。

β及び、それを根とするK係数既約多項式g(X)は、

  その根 β,γ,δ,...同士を置換することで、K(β)=K(γ)=K(δ)=・・・同士を自然に写し合うK不変自己同型写像を成す、

といったかなり特殊な(?)ものであり、f(X)の根から精密に構成されるのだろう。

そして、f(X)の根から構成されるKの拡大体Lはβとg(X)にとって必要最小限に広い体で唯一無二のものなのだろう。

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(注)[補題1]を使うと、K係数既約多項式f(X)の2根θ1とθ2について、

Kの元を不変とし、θ1をθ2に写す同型写像 σ:K(θ1) →K(θ2)がある。

θ2 ∈K(θ1)とすると、σ(K(θ1))=K(θ2) ⊂K(θ1).  したがって、σはK(θ1)からそれ自身の中への、Kの元を不変とする準同型写像である。

また、 σ 2 (K(θ1)) ⊂σ(K(θ1))=K(θ2) ⊂K(θ1). 

同様に、任意の自然数mについて、 σ m (K(θ1)) ⊂K(θ2) ⊂K(θ1) 

したがって、

 σ m (K(θ1))=K( σ m (θ1))⊂K(θ2) ⊂K(θ1) 〜(1)     (※)

また、f(θ1)= 0 より、 σ m (f(θ1))=f( σ m (θ1))=0

したがって、 σ m (θ1)はf(X)の根。f(X)の根は有限個しかないから、

あるmについて、   σ m (θ1)=θ1

したがって、(1)より、K(θ1)⊂K(θ2) ⊂K(θ1) つまり、K1(θ1)=K1(θ2)

(※) K(θ1) ∋θ1 より、 σ m (K(θ1))⊃ K( σ m (θ1)) 、

      一方  σ m (K(θ1)) の元μはKの元とθ1からなる式の σ m による像である。

  σ m はKの元を不変とする準同型写像だから、μはKの元と σ m (θ1)からなる式となる。

  つまり、 σ m (K(θ1))⊂ K( σ m (θ1))  したがって、 σ m (K(θ1))=K( σ m (θ1))