zton2021の曖昧日記

日々思うことを書きます。数学は学習メモとして、勉強したこと、思うことを一生懸命書いていますが間違い勘違いも含むかもしれません。間違いに気がついた時点で、加筆修正するつもりです。(注)数式はMathMLで表記し、Safariで表示を確認しています。Safari以外のブラウザでは表示がおかしいことがあるようです。

ガロア理論曖昧メモ8(ガロア群その2)

K係数多項式f(X)の根 全てをKに追加した体 L = K(   α 1 , α 2 , , α n ) のガロア群G(L/K)を求める。

根  α 1 , α 2 , , α n は全て異なるものとする。(注)

Lの自己同型写像でKの元を不変(σ|K=idK )とするものをK同型写像ということにすると、

  G(L/K) = {σ |σはK同型写像}

が、ガロア群の定義である。

G(L/K)∋σ とする。Lの元β を根とする任意のK係数多項式g(X)に対し、g(β)=0 より、σ(g(β))=0 したがって g(σ(β))=0 

つまり、K同型写像σはK係数多項式の根を再びその根(自分自身あるいは他の根)に写す。

f(X)の根は全て異なり、同型写像単射だから、結局σはf(X)の根  α 1 , α 2 , , α n  の置換を一つ定める。

 

f(X)の根の置換全体の群の部分群

S( α 1 , α 2 , , α n ) = {τ|τは  α 1 , α 2 , , α n の 置換、Lの任意の元z、z' について、z=z' のとき、τ(z)=τ(z')}

を考える。

ここで、Lの元zは、Kの元と α 1 , α 2 , , α n からなる式であり、zにおけるKの元は変えず、 α 1 , α 2 , , α n  のみをτで機械的に置換したものをτ(z)と書く。「z=z' のとき、τ(z)=τ(z')」は表現形式によらず、値が等しいものを値が等しいものに写す(写像としてwell definedである)ことを意味する。メモ6の[補題1]でも説明したことと、全く同じ理由により、S(L/K)の元τはK同型写像を定める。

つまり、S( α 1 , α 2 , , α n )はG(L/K)と同一視できる。

つまり, ガロア群G(L/K)を求めるには、置換群の部分群S( α 1 , α 2 , , α n )を求めれば良いことになる。

   

しかし、f(X)によっては、恒等置換以外のwell definedな置換τを求めるのはいかにも難しい。

そこで、あっと驚く手法が登場する。(他の人があっと驚くかどうかは知りませんが)

[補題3]

ガロア拡大体 L=K( α 1 , α 2 , , α n )  は単純拡大体である。

 

つまり、Lの元βをうまく選ぶと、L=K( α 1 , α 2 , , α n )=K(β) とできるのである。

そして、このβに対して、次の[補題4]が成り立つ

[補題4]

L=K(  α 1 , α 2 , , α n )=K(β) なるLの元βについて

S(β) = {π|πは「βをその共役元(自分自身も含む)への置換すること」によって間接的に生じるS( α 1 , α 2 , , α n )の元}

とおくとき S(β)=S( α 1 , α 2 , , α n )

 

Lは代数拡大であったからβはK係数多項式の根であり、Lはガロア拡大でもあるから、βの共役元は全てLの元である。

上述あるいは[補題1]と全く同じ議論で、Lの元であるβの式に対し、「βをその共役元へ写しKの元は不変とする」機械的置換はL上の写像としてwell definedである。各  α k はβのK係数式として記述できるから、それは、間接的に{ α 1 , α 2 , , α n }の置換を定め、結局LにおけるK同型写像を定めるのである。

S(β)を求めることは、S( α 1 , α 2 , , α n )を直接求めることよりは簡単そう。

[補題3]と[補題4]については、、、続く

 

(注)f(X)が既約であれば、根は全て異なる。