zton2021の曖昧日記

日々思うことを書きます。数学は学習メモとして、勉強したこと、思うことを一生懸命書いていますが間違い勘違いも含むかもしれません。間違いに気がついた時点で、加筆修正するつもりです。(注)数式はMathMLで表記し、Safariで表示を確認しています。Safari以外のブラウザでは表示がおかしいことがあるようです。

ガロア理論曖昧メモ7(ガロア拡大続き[補題2])

[補題2].(注)

体K1と体K2が同型であり、その同型写像をσとする。

K1上の多項式 f1(X) とK2上の多項式 f2(X)がσ(f1)=f2 を満たすとする。(f1のK1係数をσでK2係数に写し変えたものがf2に等しいとする。

f1、f2は既約である必要はない)

次に、L1をK1にf1(X)の全ての根を追加した拡大体、L2をK2にf2(X)の全ての根を追加した拡大体 とする。

このとき 同型写像τ:L1 →L2で τ|K1=σ であるものが存在する。

なお、多項式の全ての根を追加した拡大体としては最小分解体(注目している多項式の根全てを含むもっとも小さい体)を考えるものとする。

以下は自分なりに、他の文献の証明を理解しようとした際のメモである。

 [証明]

f1の次数をmとする。

[m=1のとき命題は正しい]

f1は一次式だから、K1の中にその唯一の根を持つ。L1=K1 であり、f2も一次式だから同様にL2=K2 したがってτ=σとすれば命題は成り立っている。

[m−1まで命題が正しいと仮定する]

[mのとき、命題が正しいことを示す]

体F1と体F2が同型であり、その同型写像をπとする。

F1上のm次元多項式 g1(X) とF2上の多項式 g2(X)がπ(g1)=g2 を満たすとする。(g1のF1係数をπでF2係数に写し変えたものがg2に等しいとする。g1、g2は既約である必要はない)πが同型写像だからg2もm次元多項式である。

次に、T1をF1にg1(X)の全ての根  α 1 , α 2 , , α m を追加した拡大体、T2をF2にg2(X)の全ての根  β 1 , β 2 , , β m を追加した拡大体 とする。F1における g1(X)の既約因子h1(X)を  α m を根とするものとする。π:F1→F2が同型写像だからπ(h1)=h2とおくとh2(X)はF2における既約多項式である。

必要ならば番号を付け替えて、 β m  がh2(X)の根であるものとする。

このとき[補題1]より

拡大体F1( α m )と F2( β m )は同型であり、その同型写像σとして、σ|F1=π、σ( α m )=   β m なるものが存在する。

K1=F1( α m ), K2=F2( β m ) とおくと、σ:K1→K2は同型写像である。

T1[X]の中でg1(X)は  X - α m で割り切れ、その商をf1(X)とする。

f1(X)はm-1次元多項式であり、その根は  α 1 , α 2 , , α m - 1 である。L1=K1( α 1 , α 2 , , α m - 1  )とおく。

T2[X]ににおいても同様にg2(X)は  X - β m で割り切れ、その商をf2(X)とする。

f2(X)はm-1次元多項式であり、その根は  β 1 , β 2 , , β m - 1  である。L2=K2(   β 1 , β 2 , , β m - 1 )とおく。

σ:K1→K2 は同型で、σ|F1=π、σ( α m ) = β m  に注意すると、σ(g1)=g2 であり、g1(X)からf1(X)を求めるとき(   X - α m で割るとき)に出現する各  X k の係数(F1の元と α m の式)は、g2(X)からf2(X)を求めるとき(     X - β m  で割るとき)に出現する  X k  の係数(F2の元と β m の式)にσで写ることがわかる。

したがって、σ(f1)=f2

[m−1まで命題が正しいと仮定する]から、同型写像τ:L1 →L2で τ|K1=σ であるものが存在する。

L1=K1( α 1 , α 2 , , α m - 1 )=F1( α m )( α 1 , α 2 , , α m - 1 )=F1( α 1 , α 2 , , α m )、

L2=K2( β 1 , β 2 , , β m - 1 )=F2( β m )( β 1 , β 2 , , β m - 1 )=F2( β 1 , β 2 , , β m )  、

F1はK1の部分体だから、τ|F1=σ|F1=π

したがって、mのときも命題は正しい。

 

[証明終]

mの命題からmー1の命題を作るときに、記号が混乱しないようにしたつもりであるが、結局似たような記号が入り乱れて混乱する。

参照した文献のようにスッキリあっさりを目指したいが、、、私にはできそうも無い。

とりあえず、ガロア拡大補題 1、 2の説明は終わり、体Kに与えられた既約多項式の根全てを追加した拡大体(ガロア拡大体)のガロア群を求めるあたりを見てみる(続く)

 

 

(注)文献における証明を見ていて、帰納法の使われ方がピンと来なかった。

教科書的には

  [1]k=1のとき、命題が正しいことを示す。[2]k=mの時命題が正しいと仮定して、k=m+1のときも命題が正しいことを示す。

であるが、私が見たいくつかの文献では[2]が次のパターンで使われているため、その使い方がピンと来なかったように思う。

  [2]‘ k=m-1まで命題が正しいと仮定して、k=mのとき、命題をmー1の場合に還元できることを示す。

 よく考えると、[2]は、命題が広がって行く感じがし、[2]‘ の方が、小さい命題に順番に納まって行くような、帰って行くような感じがするので、帰納法という名前によくあっているような気がする。

証明ではないが、私は次のスタイルの説明がわりと好きである。命題に面と向かっているような気がするのである。

  [2]''  k=1のとき命題が正しいことを使って、k=2のときも命題が正しいことを示す。(その示し方が、実は[2]を匂わせるものであるものとし、) ・・・以下同様に、厳密には帰納法により、全てのkで命題は正しい、と結ぶ